天をつきさす鋼鉄のパイロンは、腐ったバベルの臭い

その裂け目からには、
静脈色のランプの明滅や、
からまり合いながら暴走する
チューブの群れが見える

いよいよ欲望の鋭角を反らせて、

咆哮、爆発

腐食した金属大地は恐怖にふるえ、
粘っこい失禁をした

勢いも猛々しく、パイロンは天をつき破り、
地獄の第二圏へと突入を始めた

止められない欲望の楽団が、
あまい痴呆の声で讃歌する

内部チューブは重々充満、
存分に鉄のスピルムを放出、
静かにオプスを終える

白濁の沼地と化した荒野に
なま臭い風がたむり、
夕暮れが空をえぐっていった