精錬され配慮されたものだけが美しいのだろうか。
見栄えよくきれいなものだけが理想なのだろうか。
醜いもの、グロテスクなものに美はないのか。
散漫で無鉄砲で自意識過剰なものに居場所はないのか。
おのれの衝動を飼いならしてはいないか?
煩悩や衝動、
欲や性、
不条理や混沌、
無知や羞恥、
嫉妬や呪詛、
無念や逡巡
をこそ、表現したくて崖の上に立つ。
だれに受け入れられなくてもいい。
今この瞬間の自らをぶった斬った断面がある。
青臭くて生臭い息を吐きちらしながら、
赤く燃える舌が消えないうちに、
ここに置いてゆけ、炎を。
/ 左馬 漣