詩にいたる何か
かわいた砂漠の皮膚のしたを
地下水のように血脈が蜿蜿うねっている
どろりとした黒い血が
おまえの欲望を溶かしこんで
わたしの熱いほとへとそそいでいる
絞めてやろうか そのだらりとしたふぐりを
おまえの喉仏がナムナムと上下するのが丸見えだ
三月十日みつきとおか 伸ばしに伸ばしたこの爪で
おまえの頸動脈をひと裂きさ
鉄錆の軋んだ音が響いて
聞こえない叫びが森にこだまするだろうよ