まず
単純とか純真とか強欲とかいう
根本的あざやかな蠢きがあって
半身を泥々のまま
もたげて憩う
極私的王朝の宮廷で
分割された陶器
ノイズを嵌めこんでパズる
夢から現へ手を伸ばし
ぐったりした蛞蝓を撫でる
永遠に粘貼りつく指先から
なだれこんでくる"a"らが
金器の果実を透過する禁忌
首をかしげながら肩を竦める
ぶるッとした仕草を合図に
反り返った指を四本並べて
因果な印を結ぶ
親指から小指の距離より速く
「くる」より濃い
来たら「くるえ」
大漁旗のみだらに翻り
釣り上げた滑らかな魚体を陵辱
絨毯に紡がれた煉獄の
糸をほどいてまたつむぐ
ぐるぐる回る自己反復
回帰、快気、怪奇のシュウリンガン
シュウリンガンの自己憐憫
自己憐憫の禽獣を懐柔
BODYはないのですでにそこには
ただ寛ぐマグロだけ
孤島に集結したラクダ数万
その首を一瞬ではねる刃を売っている
軒先で老人が傾く角度
というものがある
支那の不思議な役人が
キナ臭い褌を引きずっていく夕暮れ通り
腐った饅頭の頭頂に遊ぶ仙人を
小蝿のように叩き潰して造作もない
長蛇と短蛇がダイヤモンドを一周し
ダイナモ発電する猛烈でも
青黴が繁茂しゆっくり絶望
「ねぇ」とカラダ/コトバを引き割く仕草
散らばるダ/ダ/断/片
髪振り乱して言語切り刻み
噛み砕こうと口に入れ
その鋭角で血まみれに
意地で言葉を転がせば
音より先に舌が膨満、萬膨満
賭博場 ッドッド
鼓動と脈動と紅顔の、群れ群れ
上がり!三発、突貫、満棒
返して青天井九万九千点そこそこ
両耳から突っこむ毛腕
いじくりまわして眼眼球
猛烈に脂ぎってきた禿げ頭
燻してカンマー糜爛びらん
責めるなこの幼気な
ドゥーブ、ドゥーブ ドゥールのウーブ
真夜中に血沈しコップの底には月沈
破れ!
と声がして
自己が激しく飛び出した
密密と埋め尽くされてゆく夜空
目出し頭巾の女が素足で登場
ぎっしり詰まった闇夜を引き裂く
へるまへるま怪盗へるま、愛しいへるま
噯気、げふりと吹きかける
と、つ昇天。