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2025/11/26

重機と純愛

掘削機械をかかえた重機が 

涎をたらしてやって来る

秩序としての建物を

たたきつぶす純真がある

海辺で水着姿の男女が飲むカクテルが 

もう機械油

帰るホテルはないと海に身投げするも 

工事現場の土砂があるだけ 

うなずいて夏が閉じ 秋のない冬が来て 

すべてはコンクリの下で眠った

2025/11/21

日記帳

物干し場から屋根にのぼり
日記帳をかじれば
血の味がする

洗濯物のように
思い出がはためくのを見ても
心は化石のようだ

指先にとまった天道虫と
すみやかに同化する
そのなめらかな邂逅

浮沈する思考を
一気に粛清していく
巨大な白刃のひらめき

脳裏にあいた風穴から
密かに粘液が入りこんだとしても
思い出が難なく弾き返してしまう